みんな　善では　ありました

自然から　教わった　共感という

優れた　美意識にも似た　

みんな　良心では　ありました
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

しかして　共感は

人を包むことも　できれば

反感に変えて　他を排除もできる

こともありました
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

あるいは　共感は

各自にて　多様なるがゆえに

共感できぬものは　あって当然で

その際は　理解に　姿を変えることも

ありました
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

とはいえ　共感を

自他の境なく　押し付ければ

善でも　義でも　ましてや　美でもなく

いつしか　悪となり　毒と化して

自他を　滅ぼしてしまう　醜い暴力に

なっていくのです　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ああ　かくして　共感とは

はるかに美しく　大切なものながらも

あまりに難しく　厳しさに震えるもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

そもそもの　初めは

みんな　善では　ありました

自然から　教わった　共感という

優れた　美意識にも似た　

みんな　良心では　ありました