大人なんてものは　いない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

大人という　幻想と亡霊だけが　

満員電車に乗って　自己嫌悪に酔いながら

大人という　仕事をさせられている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

大人という　承認と評価だけが

贋金作りに奔走し　自己否定に吐きながら

大人という　役割に埋没している
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

成長とは　大人になることではなく

生きる力を　強く　増やしていくこと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

人生の初めでは　自分が生きるために

人生の半ばでは　人と共に生きるために

人生の後半では　多くの人々と生きるために
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

人は　生きる力を　成長させていくと

自己肯定感が増し　自愛となり　安心できる

人は　生きる力を　減少させていくと

自己嫌悪に敗けて　自虐となり　不安になる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

人の生きる力とは

子どもの頃から　大きくなっても　

変わることなく　そのままあるもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ただ　内なる子どもを　

遊ばせるのを　忘れているだけ

ただ　相手の内なる子どもと

遊ぼうと　しないだけ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ただ　私たちは　

友だちのように　遊びたいだけ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

生きる力を　絡ませながら　

組んず解れつ　自然と踊るように　

生き物と戯れるように　

空に笑い　星に泣いて　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
精霊とともに　遊び疲れて　眠りたいだけ