星のまなざし

ブログ : 関口 シュン ASTERIUM通信
再掲載【魂にメスはいらない】

再掲載【魂にメスはいらない】

昨日、2年前の思い出投稿【人をホロスコープに閉じ込めないこと】(2020年5月19日 )を再掲載しましたが、
今日もその続きです。
 
2年前、新型コロナが流行り始めtて、台湾に行けなくなるし、大阪講座をオンラインに切り替えるしかなかったときで、憤懣やるかたないので連日書いていたのでした。
 
やはりここでも、相手との向かい合いかたを書いています。
でもセッションの場だけでなく、学びの場でも同じように考えています。
 
たしかに、講義内容は知識や技能であり情報なので、情報さえ効率よく手に入れれば合理的でしょう。
とくに僕の講座は毎回もれなく録画が無料で提供されるので、手間暇かけて出かけなくても、あとで録画から情報だけピックアップすればいいわけです。
 
でも僕は、出来るだけメンバーみんなと一緒に学ぶ空間まるごとで身に着けてほしいと思っています。
そこには五感ある身体性から内へと染み込んでいくものがあるのです。
 
頭脳だけで要領よく覚える受験勉強ならいざ知らず、本当の学びとは「空間まるごと」「感性(金星)」で身に着けるものなのです。
 
また一人の空間で学ぶより、みんなで学ぶことの喜びと大切さを知ってほしいのです。
乳幼児が「親にただそこにいて欲しい」理由、子どもが「自分の勉強机でなくリビングやダイニングで宿題する」理由と同じです。
 
 
ここ2年のステイホームで感じた方は多いと思いますが、私たちは頭脳だけ、情報だけ、栄養だけ、快楽だけ、金だけ、安心だけ…では生きていないのです。
 
この空間、環境、時間、季節、国や地域、時代、そして地球まるごとで生きています。
そうした身体性ある歓びと共に育ち、学び、生きているのです。
 
なので、僕の講座の始めには必ずこう言います。
 
「頭で覚えようとせずに、感覚で楽しみ、身に落とし込んでいってください」
 
「ノートするよりボーっと想いを馳せてください」
 
「忘れてしまってもいいです。感性から身に落とした学びは、いつかきっと必要な時に、表面に蘇ってきますから、そのときを楽しみに待ちましょう」と。
 
学びは、感性で身体の内と外を対流させながら馴染ませる行為なのですから。
 

2020年5月20日

【魂にメスはいらない】

このタイトルは河合隼雄さんと谷川俊太郎さんによるユング心理学講義録という対談集の題名です。
私は、ホロスコープの読み方ではなくで、相談に応じる姿勢や考え方などをユング派臨床心理学者:河合隼雄さんの本から学んできました。
 
   *
 
メスとは理論や技術のことだろうと思いますが、「分析心理学は理論の精密さや明確さを誇りとするよりは、実際場面に役立つことを第一と考える心理学を探し求めようとする試み」と言っていて、これはホロスコープリーディングにもよく当てはまります。
 
ホロスコープは、顕微鏡で覗けばいくらでも詳細な情報や理屈を引き出せるのですが、確率的データを求め、普遍性を追求することにかまけていると、「個人的な心の問題や心理現象」から離れてしまう危険性があります。
 
これは私が、各種ある占星術研究や理論を使ってみた経験からそう感じてるので、わかっちゃいるけどセッションや講座ではあまり使わないのです。
 
情報を多く提供することで、大切な課題が見えなくなったり、混乱させてしまう危惧があるので、少ないかもしれないけれど、深く届くようにと絞り込んでいくようにしています。
 
詳細なパーツや理論はそれらの専門家がたくさんいるので、その方たちによろしくお任せしています(笑)。
 
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どうやら自分の役目は、基本のメインとなるパーツや象徴体系を深めていき、同時に高次の視点による知見を「個人的な心の問題や心理現象」に実際に役立てることのようなので、「これしかやらないけれど、これさえあれば十分」と、自分の立ち位置を明確にしています。受講生たちはよくわかっていると思いますが…(^^;
 
ついぞ近代のテクノロジー的思考パターンで考えることに慣れてしまっていると、理論を適応させようとか正そうとか、操作的な考えに陥ってしまうので気を付けています。
 
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究極的に理想を言わせてもらえば、セッションで対面している二人が、講座であればそのメンバーたちが、
「共にそこに“いる”こと」で本人たちが自己治癒されていき、何かに納まっていく感じが生じてくれば本望だなぁと妄想しています。
 
これは仏教でいうところの「縁起」の力なのかしらん?とも思ったり…です(^^♪