<心理占星術へのいざない>①
「関口シュンの心理占星術講座 基礎編」テキストより抜粋
■ 心理占星術の概略
Astrology占星術の歴史は、5000年以上とも言われ、短く考えても2000年以上に渡って、人間や世界をその進化成長とともに考察してきました。
各時代における思想や文化体系によって使われ方や価値の置き方は様々ですが、そこには「判断占星術のような外的志向」と「霊的法則を組み込んだ内的志向」といった二つの大まかな流れがあるように思えます。
近代においては、その内的志向をもつ占星術の流れを独自に体系化したものに、ブラヴァッキー夫人による神智学があります。
神智学のアプローチは、霊的世界における高次の諸力にたいして心を開き、パーソナルな次元での変容や実現を目指すことが人類の霊的進化につながっていくことを強調しています。
その後、神智学的な占星術の発展や普及に寄与したイギリスのアラン・レオや、神智学から人智学を立ち上げたドイツのルドルフ・シュタイナーなどによって、占星術の持つ象徴解釈は深まり広まっていきました。
そして、スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングは、そうした内的志向をもつ神智学的占星術に、魂の成長とは違う精神の働きをあつかう心理学として読み解いてきました。
内的志向の占星術は、こうした流れのなかで多くの心理研究者たちの心理分析法やカウンセリング技法も加わり、現在は、総合的に心理占星術と呼ばれています。
■ 心理占星術の目指すところ
「大宇宙と小宇宙は相似形であり、叡智はすべてに浸透している」〈万物照応:コレスポンダンスcorrespondance〉という考えから、時代や社会のなかで揺らいでいく精神や価値のありかたに向き合う試みを心理占星術によって行われたとき、現在に生きる人々の心的探究を深め、心理的事実を解き、また物語ることで、自己の歓びを再興していくことを目指します。
関口シュンの考える心理占星術では、このような経緯を踏まえたうえで、ギリシャ精神、原始キリスト教思想、近代心理学などによって培われた中東、ヨーロッパ文化による考察のみならず、仏教思想とアジア的なオカルティズム文化をも汲み取った心理占星術を展開しています。
<私が心理占星術に感じている本質的な魅力>
●星を象徴とした天界と、人生や生活、社会という地上界との間に親密なつながりを確立できること
●一見すると偶然のように起こる意味のない出来事や心理作用といったカオスのような個人の人生を、占星術のもつ象徴体系化システムによって、秩序だった目的のあるスピリチュアルな宇宙観において見つめさせてくれて、生きる意味と価値という感覚がもてること。
●占星術を通して明らかにされ、読み解かれる心的世界と物質世界とのシンクロニシティにも表れる霊的コスモロジーを知ることによって、生きる世界を理解する手助けや、星の世界からの励ましや力づけを体験できること。
●ホロスコープを宇宙の事実や人生の脚本が記された地図ではなく、占星術のもつサインや天体に人間心理の元型を見通し、カウンセリングにおいて質問や対話の手段に用いて、日常の均衡を保てなくなったときなどに、主観的関連性を取り戻し、物語を見直せること。
●占星術:astrology は、人類学マトリックスの一部とも考えられ、さらに心理占星術の分野においては、現実や身体状況と心的作用との関係に立ち現れるイマジナルな世界を扱う学術であり、アートだとも考えられるのです。
<②に続く>
東京19期心理占星術講座 基礎編
隔週金曜12~15時
2023年8月18日よりスタート