<心理占星術へのいざない> ②
「関口シュンの心理占星術講座 基礎編」テキストより抜粋
■ 心理占星術の扱い方
その人の運命や現実を言い当てたり、一方的な予想をする「外的志向の判断占星術」よりも、カウンセリング的な傾聴と対話を重視したホロスコープセッションをおこなっています。
そのために、ホロスコープの読み手である占星家がクライアント(来談者)にたいして、よりよい助力を施すには、感性豊かなマインド、宇宙観、人間観、人生観など自分なりの考え方や世界観をしっかりもっておく必要があります。
そうでないと、ホロスコープが一人ひとりの受け取るべき適切な情報が詰まっているものであっても、起こった現象や感情的印象にクライアントと共に振り回されたり、星の短絡的な影響のみで判断するなどして、星が本来示唆するところの深い観点を見失う恐れが出てきます。
そこで、ホロスコープセッションにおいては、主にこのようなことをもっとも大切に実施しています。
・傾聴と対話を基本にクライアントの心に寄り添い、
相談内容に秘められた深い意味や呼びかけ、
隠されたプロットやテーマなどを引き出し、
クライアント自らが解決を得るための道を共に探っていくこと。
・その人の心理現象に向き合い、視野を拡大して背後にある情動的なもの、
あるいは霊性に目を向けることによって、
その困難なWHYに星から抽出した意味をもって応えること。
そして、目に見える現象とは異なった次元でのHOWの問題として、
やはり星やサインの象意をもって扱っていくこと。
こうした姿勢で「目に見える世界」の背後に秘められた「見えない世界」を観じようとすることこそ、高次の視点での、精神科学的あるいは霊学的なアプローチに他なりません。
■ 私が伝える占星術に取り入れている高次の学び
私がどのような思想を頼りに「高次の視点」を学んでいるかと言うと、「ルドルフ・シュタイナーの神智学・人智学」「仏教哲学」「ユング派心理学」などが中心に挙げられます。もちろん、セッションという実践の場での経験は、思想を確信するための重要な基礎であることは言うまでもありません。
ダライラマ14世の言葉にこのような思いがあります。
「仏教には究極の在り様についての最も深遠な理解があるが、
大切な目的はその知識を、他者を助けるために使うことである。
「仏教の教えには、心の科学、仏教哲学、そして仏教の修行という三つの局面があり、
心の科学と仏教哲学は、宗教に触れることなく単にアカデミックな知識や教養として
学ぶことのできるものである。」
「心とは、刹那の連続体であり、一刹那ごとの意識の連なりとして存在している。
究極の幸せを得るには智慧を育み、分析と精査によって心をよりよく変容させる必要がある」
私は仏陀の教え、仏教思想から、宗教というよりも、実践心理学とも言える心の仕組みや智慧を多く学び取り入れています。
また、シュタイナー思想からは、
「物質界以外に霊的世界があるのかないのかという
『世界観』の相違を問題にするのではなく、
『この世を生きることの意味と価値を確認するため』であり、
『この世を生きるときに、思想の側からどのような励まし、力づけを体験できるか』」
という目的を、星の世界に置き換えながら解読しています。
そこで、占星術で扱う天体やサインなどのアイテムを、
理論の精密さや詳細な技法を誇るよりも、占星術にもたらされている
「宇宙的叡智の根源的な意味や、地上的叡智としての人間存在の深層心理を、霊的な解釈によって価値づけること」を学んでいただければと思っています。
「東京14期心理占星術基礎編」(全10回)は、2021年11月6日(土)から、隔週でスタートです。
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